Hydrology Basics

浸透・蒸発散

流出解析では、降雨のうち河川流出に寄与しない成分をどのように扱うかが重要です。

浸透が流出を変える

地表に到達した雨の一部は土壌へ浸透します。浸透能を超えた雨は表面流になりやすく、都市域や飽和した斜面ではピーク流量が大きくなります。

浸透は、土壌の種類、初期含水率、土地利用、地形、降雨強度に影響されます。流出解析では、一定損失、初期損失・定率損失、Horton 型、Green-Ampt 型などの考え方が使われます。

浸透と表面流の模式図
図4 浸透能を超えた降雨は表面流になり、河川流出を増加させます。

蒸発散

蒸発散は、地表面や水面からの蒸発と、植物からの蒸散を合わせたものです。洪水ピークのような短時間解析では影響が小さい場合もありますが、長期の水収支、貯水池、流域水資源では重要です。

  • 気温、湿度、風速、日射量
  • 植生、土地利用、季節変化
  • 対象期間が長いほど重要

初期損失と継続損失

降雨開始直後は、樹冠遮断や窪地貯留、乾燥土壌への吸収が大きくなることがあります。その後、土壌が湿ると浸透能が低下し、表面流が増加します。

有効雨量 = 総雨量 - 損失雨量

実務での設定方針

対象よく使う考え方確認する条件
都市流域不浸透面率、流出係数、初期損失道路、屋根、排水施設、下水道接続
山地流域土壌浸透、斜面貯留、飽和・不飽和状態地質、植生、勾配、先行雨量
農地・平地湛水、浸透、用排水路、蒸発散土地利用、作付け、排水条件
長期水収支降水、蒸発散、地下水涵養、貯留変化月・年単位の観測値と季節性

関連ソースファイル

Horton 式の浸透能低減と、月単位の水収支バケットモデルのサンプルを同梱しています。