Hydrology Basics

河道追跡

河道追跡は、上流の流量波形が河道を流下する間に、遅れ・減衰・変形する過程を計算する手法です。

河道で起きること

洪水波は河道を下流へ進みます。その際、河道内の貯留、氾濫原、粗度、勾配、断面形状によってピークが遅れたり、低くなったりします。

概略検討では Muskingum 法のような水文的追跡、詳細検討では不定流計算のような水理的追跡を使います。

Qj+1 = C1Ij+1 + C2Ij + C3Qj

I: 流入、Q: 流出、C1〜C3: 追跡係数、j: 時刻ステップ

Muskingum 法による遅れと減衰
図5 河道追跡では、流入波形に対して流出波形が遅れ、ピークが減衰することがあります。

Muskingum 法の入力と確認

項目意味確認ポイント
流入 I上流端または上流区間から入るハイドログラフ時間刻み、ピーク、総量、単位
初期流出 Q0計算開始時の下流流量初期条件が結果に与える影響
C1, C2, C3流入・前時刻流入・前時刻流出の重み係数和、安定性、実測との整合
時間刻み Δt計算ステップ短すぎる・長すぎる場合の不安定や波形劣化

上流流量と下流流量の観測がある場合は、ピーク時刻と減衰率が再現できるように係数を調整します。

水文的追跡

流量波形を対象とし、河道を貯留システムとして扱います。入力データが少なく、概略検討に向きます。

水理的追跡

水位、流量、断面、粗度、境界条件を使い、不定流方程式に基づいて計算します。詳細な氾濫解析や河川計画に向きます。