Hydrology Basics

流出解析

流出解析は、降雨を河川流量へ変換する過程をモデル化するものです。

降雨から流量への変換

流域に降った雨は、すぐに河川へ流れるわけではありません。樹冠遮断、窪地貯留、浸透、地下水流、斜面流、河道流などを通じて、時間遅れを持って流量として現れます。

その結果を時間ごとの流量として表したものがハイドログラフです。ピーク流量、ピーク時刻、総流出量、立ち上がりの速さを確認します。

流出 = 有効雨量 × 流域応答
ハイドログラフの模式図
図3 ハイドログラフでは、ピーク流量・ピーク時刻・総流出量・基底流を確認します。

代表的な流出モデル

モデル概要向いている用途注意点
合理式降雨強度、流域面積、流出係数からピーク流量を概算します。小流域、概略検討、排水施設の初期検討ハイドログラフ全体は表現しにくいです。
単位図法単位有効雨量に対する流域応答を使って流量を計算します。観測流量がある流域の洪水解析流域特性の変化や非線形性に注意します。
貯留関数法流域内の貯留と流出の関係を式で表します。日本の洪水流出解析、実務検討パラメータ同定と適用範囲の確認が必要です。
キネマティックウェーブ法斜面・河道の流れを簡略化した波動として扱います。分布型流出、斜面流、土砂災害関連流下方向、粗度、格子解像度が結果に影響します。
ダイナミックウェーブ法不定流方程式に近い形で水位・流量の時間変化を扱います。内水氾濫、河川・下水道連成、詳細検討入力データと計算負荷が大きくなります。

検証で見るポイント

ピーク流量

最大値が過大・過小でないかを確認します。

ピーク時刻

観測より早すぎる場合は流下時間や損失の見直しが必要です。

総流出量

有効雨量や損失設定の妥当性を確認します。

低水部

基底流や地下水寄与が必要かを確認します。

パラメータ感度

流出係数、粗度、貯留係数を変えて影響を確認します。

説明性

結果を実務資料として説明できる単位・図・表にします。

関連ソースファイル

SCS-CN 法による有効雨量と、簡易単位図による流出量計算のサンプルを同梱しています。