Hydrology Basics

水文統計

水文量は自然現象のばらつきを含むため、観測データの統計的な整理が欠かせません。

統計解析が必要な理由

雨量や流量は、毎年同じ値になるわけではありません。過去データから分布や再現期間を推定し、設計やリスク評価に使います。

物理過程が十分にわからない場合や、必要な物理データが不足する場合にも、統計的な関係式や不確実性評価が役立ちます。

水文統計の模式図
図6 観測データの頻度分布と理論分布を比較し、極値や再現期間を評価します。

代表的な分析

経験分布

観測値を並べ、超過確率や非超過確率を整理します。

理論分布

正規分布、対数正規分布、Gumbel 分布などを適用します。

再現期間

確率雨量や確率流量を設計条件として整理します。

相関・回帰

雨量と流量、流域特性とピーク流量などの関係を評価します。

検定

分布適合、平均差、外れ値などを統計的に確認します。

不確実性

観測誤差、モデル誤差、パラメータ誤差を幅で表現します。

再現期間の基本

再現期間は、「平均的に何年に1回程度の確率で起こる規模か」を表す指標です。ただし、100年確率雨量は100年に一度だけ発生するという意味ではなく、毎年一定の発生確率を持つと考えます。

T = 1 / p

T: 再現期間、p: 年超過確率

データ期間が短い場合に極端な再現期間を外挿すると、推定誤差が大きくなります。分布選定と信頼区間を合わせて確認します。